水道インフラに
デジタルイノベーションを
——AI技術を活用し
劣化状態を診断

水道管データ×環境データ

水道管の劣化速度を正確に予測できれば、排水管の更新の最適化をはかることが可能だ。でも、物理的検査を行わずに、地中の水道管それぞれの劣化状況を予測するにはどうしたらよいか?

配管素材・使用年数、過去の漏水履歴など、水道管に関するデータは、水道事業体が持っている。それらに加えてFractaは、土壌、地形、気象、交通網、建物、海、河川など、約100種類の環境要因を独自にデータベース化。さらに複雑な関係性を解析するために、変数を10倍以上に作成する処理を行い、最終的に約1,000の環境変数を予測に活用した。

そして、過去にどのような配管と環境で破損が起きたか、あるいは起きなかったかという、実際のデータに基づいた正解と不正解のパターンを、AI/機械学習によってコンピュータに教え込み予測精度を上げた。

こうして完成した独自のアルゴリズムは、米国の水道管のうちすでに累計約11万kmを学習済みで、高い予測精度と実用性が十分に立証されている。

 

 

水道事業の未来のために

ソフトウエアの開発話はこれくらいで十分だ。Fractaが支援したい水道事業体の立場に立ってメリットを伝えよう。今まで多くの水道事業体は、主に水道管の設置年数に基づいて水道配管の更新を行ってきた。そのため、配管周囲の環境が与える劣化への影響を十分に考慮されていないのが現状だ。

Fractaのオンライン管路診断ツールを使ってみよう。水道管の位置情報、材質、口径、設置年月、破損履歴といった、保有する水道管データをアルゴリズムに取り込むだけだ。それだけで指定エリアの地図に配管情報や破損確率が色分けしてマッピングされる。また、配管情報を統計的に整理したグラフや数字もワンクリックで確認できる。

オンラインで全体を診断し、地図上でリスクを可視化。これなら水道配管の破損確率を高精度に把握し分析できる。水道配管交換の優先順位が明確になり更新計画を最適化できるのだ。

Fractaは、このオンライン管路診断ツールを、2022年までに100超の日本の水道事業体に提供することを目指す。独自に築いたソリューションで、デジタルイノベーションをもたらし、持続可能な水道事業の運営をどこまでも支援していきたいのだ。